スチル1

それは無垢な少女の幸福な夢。 大きな野菜と濃厚な牛乳で作った三人分のシチュー。 パパ、ママと一緒に食卓を囲み、 その日の出来事を話す、笑顔の夜。 「このシチューは私が作ったんだよ」と言うと、 パパもママも褒めてくれる。 そんなどこにでもあるような光景が、 少女にとっては光り輝く宝石のような、 夢。

スチル2

それは無垢な少女の不思議な夢。 見たこともない大きなカイブツと、 ふわふわ浮いた黒いオバケと、 果てなく続く石の塔を歩く夢。 パパやママがいなくても、少女に寂しさは見えない。 なぜなら、ここでは理不尽な扱いを受けずに済むから。 なぜなら、怖い悪夢を見なくて済むから。 そして少女は、毎晩、眠るのが楽しみになった。 今宵もまた、夢の世界へ……